上海・老西門は今までで一番楽しい中国の街だった。
先週2年ぶり4度目の上海に行ってきました。海外旅行はやっとフタケタ乗る程度の経験ですが、その中では最多渡航地ですね。最初の旅行は観光兼デイリーポータルのネタ用に、今回を含むあとの3回はアジア最大のアダルトグッズ見本市・上海国際成人展の取材。今回のレポートもさっそくDMMニュースに上がっておりますので、お時間ある方はぜひとも。AV女優の皆さんを見た中国のファンがブチ上がりすぎて警察が来てステージ中止になったり大にぎわいでした。にぎわいっていうのかそれは。
ちなみに最初の上海行きについてはこちら。
portal.nifty.com
さてそんな上海なんですが、遊びに行く街としては個人的には「もう‥いいかな‥」って感じなんですよね。観光的なところはだいたい見たし、物価は来るたびに上がってるし、何よりいいTシャツが売ってない! おれが海外行く理由の6割は現地ブランドを漁るためなのに‥。最初に来た時は上海のブランドTHE THINGとか、あとHOOTERSの上海オリジナルT買ってみたりしたけど、香港とか台湾に比べるとパッとしないんですよね。といってパクリ系もネタに面白みがない(そもそも買っちゃダメです)。
というのもあって今回は取材以外の楽しみは初のSNH48劇場くらいかなーと思ってたんですが、期待をはるかに上回ってとにかく宿がサイコーだったのですよ! 先に書いたとおり物価クソ上がってる中、安ホテルをagodaやexpediaとか漁りまくって、シングル一泊2000円強というなかなかいいお値段で見つけたのが老西門の上海新天地青瓷主題酒店(Shanghai Celadon Theme Hotel Xintiandi)という宿。
www.agoda.com
ネットでぱぱっと調べたところ、老西門という駅は、南京東路に2駅、豫園・新天地に1駅と観光にはいい立地だけど、この駅自体は観光的なものはない様子。ただagodaのレビューを見たら「下が市場で早朝からうるさい」「立地以外いいとこなし」「コスパ最高」などなど‥うん、この試される感いいぞ! 五つ星ホテルより香港のチョンキンマンションとか西成のドヤでアガる側としては行くしかねえ。
それでいざ着いた老西門ですが、過去3度泊まったホテルのあった街よりぜんぜん下町。道路はあいかわらずガタガタでスーツケース転がしにくいし、無音で走ってくる電動バイク怖いし、て感じなんですが、いい意味で”クサい”料理屋がホテルまでに立ち並んでる。いいぞいいぞ~。そして先に得てた情報どおり、市場のビルの上にホテルが。バウチャー渡してカードキーもらって、あとWIFIのパスワード教えてもらって4階の部屋へ。
そして部屋に入ると‥あれ、思ってたよりぜんぜんちゃんとしてんじゃん!ベッドやテレビはもちろん、パソコン仕事するのには十分な机椅子、お湯も沸かせるし使わないけどお茶パックもある。ミネラルウォーターも2本置いてあれば、トイレ見てもタオルは大小2枚ずつに歯ブラシもある。ついでにスリッパも2足。下手な西成のドヤよりぜんぜん上等ですよ。そこから見下ろすローカル上海、うーん最高じゃないですか!
と思ったんですが、一晩過ごしてわかったのは、トイレの水圧クソ弱くて貯めるまでチャージするの時間かかったり、文化とはいえケツ拭いてゴミ箱入れるスタイルだし、お風呂の透明ドアよく見たら半分しかなかったり、熱湯と冷水の両極端しか出なくて絶妙なレバー捌き必要だったり、3泊して一度もベッドもタオルも変えに来なかったり、小ゴキブリが出てスリッパで踏んづけて「なるほどこれでもう一足のスリッパに履き替えればいいのかははは」と納得したり‥‥あと何だっけ? 窓外の汚さとか気になる人は他にも気になんじゃね、てのはいっぱいあったと思う。
でも今までのホテルでダントツ良かったですよ! 諸々の不具合も困るってほどではなかったし、むしろ旅のエッセンス。それにタオルは変えなくても、ミネラルウォーターをきっちり補充してくれてるのは地味にありがたかった。外行く時は一本持ってくだけに。あと4度目の宿にしてWIFIがちゃんと部屋で繋がったのは初めて! 「水とネット」という自分的にいちばん欲しいのが使えりゃいいんですよ。マジで残念なのはビールを冷やす冷蔵庫ないくらいか。そういえば上海でtwitter・FacebookとかSNSは使えないと聞いてたんですが、LINEは使えるんですね。これは地味に助かりました。
WIFIといえば、上海の観光サイトとか見ると「日本に比べて上海のWIFI使える率はすごい!」とかよく書いてあるんですが、実際はショートメールでパスワードもらわなきゃいけなかったりと地元携帯がないと繋がらないところも多く、甘くはないですね。上海国際成人展の会場はパスワードなしで繋がるところだったし、あるとこはあるんですけど。ただ「地元携帯ないと使えない」とあちこちのサイトに載ってた上海浦東空港は日本の携帯でも081+ゼロ抜いた携帯番号登録したらショートメール来て使えました。
さて話を老西門に戻すと、とにかくメシが最高で! とりあえず現地行く時に地名で当然検索するわけですが、観光地もないしホテルも多いわけでもないので、まあほとんど情報が出てない。その中でツイッターでフォローしてる黒色中国さんのブログの「【上海・老西門】辣肉絲麺館の老上海紅蝦醤辣肉絲拌麺」が出てきた。うわ、スゲエ美味そう! と現地で見てみるとホテルから徒歩1分の距離で笑うしかない。詳しくはほんとこのブログ通りなんですけど美味かったー! 肉と焼きネギのソースの濃厚な味わいと麺の絡まり具合が最高の高。3人か4人でもういっぱいになるような店なんだけど、恐るべき美味さ。値段は28元、約450円。この周辺の中では高い方だけど、日本なら倍とっても納得だな。
bci.hatenablog.com
そしてその翌日食べたのがその近所にある河南拉麺のお店。おそらく売りであろう河南拉麺をわけもわからず頼んだんですが、要はカレーラーメン。ただ、ちょっと食べてびっくりした。麺がむちゃくちゃ美味い! 肉とパクチー載せたカレースープも美味いんですが、正直いままでラーメンの麺を美味いのまずいのと意識したことなかったのが、これは確実に弾力といい味といいヤバイ。そういえば前日の老上海紅蝦醤辣肉絲拌麺も麺が美味かったんだよなあ、絡みついてグッと味あわせるような。それでいて8元か9元、つまり150円とかそんな値段。すげえな中国! 美味いもんに金出す感覚おかしくなるわ。
こんなメシ屋がいっぱい&さらにさらに夜になると屋台も出るんですよ。すげー行きたかったんだけど「今日は原稿もあるので、明日土曜夜に‥」と思ってたら土曜は休みだった。ひー、悔しい!! ただ朝は朝で屋台が出る。なんか春巻の中身がいろいろあるみたいなのを買って食べた。1枚2元、約30円。
周りにスーパーやコンビニもあるし(酒を買うには便利)、豫園・新天地といった観光地もちょっと頑張れば歩いていけるレベル。てかこういう安宿泊まる人はそういう徒歩も楽しめる性格じゃないと無理でしょ! 上海最終日はホテル~文廟(後述)~豫園と30分くらい歩いていったけど、下町からドがつくような観光地に出ていく流れが楽しかったですよ。10分くらい歩いたところに文廟という一帯があって、こちらは古本とオタク向けのショップが集まってる街だとか。帰りがけにさらっと通る程度で行ってみましたが、たしかにフィギュアとかプラモがちらほら。
おまけに老西門の地下鉄からホテルまで、あと近くの通りを動画で撮ってみた。
上海老西門1
上海老西門2
そうそう、上の動画の途中に生ビールサーバーのハンドルがいっぱいある店が見えるのだけど、そこも超気になってて!! たまたまブログに書いてる人がいて「Jacky's beernest」というビアバーらしい。うーん、日本なら勢いで行く所だけど、会話が出来ないだけに躊躇してしまった‥。まあ中国で他の国のいいビール飲むのもね、ってのもあったけども。基本ひとり旅が好きだけど、こういう時勢いつけるためにふたり旅もいいよねえ。
吃尽天下@上海:食遊上海53 『Jacky's beernest』 - 嬉しい発見!上海ビール文化の成熟を知る。 - livedoor Blog(ブログ)
という未練も山ほどあるので、次上海行く時はこのホテルもう一度泊まるのは確定。五つ星ホテルでいえば2つ星、しかし最強の2つ星ってホテルです。
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これまで建設中に見に来てたりしてたSNH48劇場も、今回はじめて公演を見れた。TEAM XⅡの「剧场女神(シアターの女神)」公演。立ち見席があるのは知ってたけど、他の48劇場とはぜんぜん構造が違って、全体がすり鉢状で最前に立ち見ゾーンがあり後方に客席という闘牛場か渋谷GLADか、みたい形状。がっつくには立ち見ゾーンだったなー。
それ以外にも自己紹介での拍手のタイミングとか、歓声がある限り応えて「謝謝」言う感じとかマナーがいろいろ違って面白かった。あと近所の建物一帯が「音楽とアートの街」みたいな売りで大きく変わってて、その中でも屠殺場をリノベーションした商業施設をtwしたらけっこうRTが。
上海で寄った見た目から歴史感じさせて中の入り組み方も独特な商業施設、帰って調べたらもとは家畜解体場で、細い通路もこれから解体される牛が歩かされてた道だとか。そこリノベーションしてスタバとか入れちゃうんだ。。 pic.twitter.com/FuAMATXuP8
— 大坪ケムタ (@kemta) April 19, 2016
他の紹介記事とか見たら「かつての屠殺場がおしゃれなデザイナーズスポットに生まれ変わった!迷路のような館内でステキなお店に出会えるかも…」はまだしも「かつての姿を想像しながら探索するのもおもしろい」とか定番のこと書けばいいってもんじゃねえだろ的コピーにふいた。かつての姿は血まみれだよ!
- 作者: 麻生晴一郎
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