サイタマビーチ

フリーライター/イベンターの大坪ケムタの雑記とかイベント告知とかもろもろです。

フリーライター/イベンターの大坪ケムタの主にイベント告知とか雑記とかです。

川勝正幸さんが亡くなった。

川勝正幸さんが亡くなった。自分にとって師匠と呼べるのは安田理央だけども、フリーライターになるきっかけを与えてくれたのは間違いなく川勝さんだった。ライターになったのも、上京したのも、今サイタマに住んでいるのも、川勝さんがいなければなかった話。

1998年、福岡で行われた川勝さん講師によるコラム講座。受講者のほとんどが学生の中、自分は会社員しながら隣県佐賀から月イチで通っていた。書類審査による受講者選考はけっこうな倍率だったらしく、最初の受講で「受講者は基本学生やアマチュアなんだけど、大坪くんはプロっぽいなあ(事実、当時は広告会社のコピーライターだったけどあえて伏せて送ってた)と思ったけど取ってみた」と言われたのを今も覚えている。きっとウヒヒ、って顔で川勝さんを見つめたんだろうな。そしてとても嬉しかった!

講座はわずか6回の授業だったけれど、たいそう刺激になったのは言うまでもない。ほぼ毎回自由課題の文章を書く時間があり、他の生徒は川勝教室志望だけあってやはりミニシアター映画や渋谷系的な音楽の話を書いてる中、自分は平野勝之監督のAVやプロレスの話書いてたから今とぜんぜん変わってないなあ。その課題の文章が面白がられたのか本当に良かったんだかとりあえず言ってみたんだかわからないけども、川勝さんに文章を褒められたのをまんまと真に受けて、調子にのって東京へ行くことを決意した。それまでぼんやりした憧れだったものを、現実の目的に変えてくれたのが川勝さんとの出会いだったのだと思う。

引っ張り出したコラム講座の卒業文集を見ると、川勝さんによる生徒に送る文の最後に「『あのコ/あいつ、僕の生徒だったんだよ』と何年後かに言ってみたいものだ」とある。そして最後の「がんばってください」が今とてもしみる。どう見ても立派じゃない方の生徒だけど、飲み屋話ででも「なんかエロの仕事してる奴がいてさあ」とか一度くらい言われてたらいいなあ。ありがとうございました。がんばります。