サイタマビーチ

フリーライター/イベンターの大坪ケムタの雑記とかイベント告知とかもろもろです。

フリーライター/イベンターの大坪ケムタの主にイベント告知とか雑記とかです。

俺週報8.20~8.21

20(土)
昼からももいろクローバーZ「サマーダイブ2011 極楽門からこんにちは」@よみうりランド大会へ。神聖かまってちゃんとのツーマン以来だからほぼ半年ぶりのももクロ、というかZついて初か。その合間に早見あかり脱退やZ化、チケ入手難が当たり前のようになったりとずいぶん状況は変わった。それを一目で分からされたのが、女性客の多さ!7:3か時には6:4に見えるくらいのカップル、あと女子2人組率の高さ。会場で会った知人のヲタが「もうリア充率高すぎですよ!」とぼやくのもむべなるかな。それもZ戦隊ワンピース着たオッサン2人が言うのが説得力ありすぎる。
ライブは戦隊ショーからZ戦隊がクレーンで登場という悪ふざけからスタート。正直長いなーと思いつつも、アーティスト然としていきなりライブやっちゃうよりはこの「無駄な過剰さ」もまたももクロらしさとして捉えれば良し。その分一曲目「Z伝説」が始まってからは特効や放水以外余計な演出なしのすばらしいエンターテイメントだった。何よりももクロの5人と客の信頼関係だけでグイグイ盛り上がっていくのが気持ちいい。
この日「いつもと違って祭りなんだから積極的に参加しないとなー」とTシャツはありやすグリーン、2時間並んでペンライトを購入して振りまくったのだけど…こりゃ楽しいわ!夕闇が深くなるほどに会場を彩っていく5色の灯の美しさもさることながら、単なる高揚感だけでなく陳腐な言い回しだけど「繋がってる感」が確かにある。神輿の担ぎ手=ももクロに元気水をかける観衆のような熱狂が渦を巻き宙にガン上がりするかのようなテンション。正直ライブで拳(ペンライトだけど)上げたのはパブリックエネミー以来ですよ。でも音楽としての縛りが多くて、コール&レスポンス重要と入りづらい分、入ってしまったら心地よいのはどちらも同じ、かもしれん。
トータル20曲以上、予想以上にフェス感いっぱいのライブでお腹いっぱい。自分の中でのピークは文句なしの晩夏キラーチューン「ワニとシャンプー」!扇子振りまくったったわい。ライブ終了後は北村さん、大阪からこの日のために来た尾張くんのデイリーももクロZ部らで飲み。「もっと衣装どうにかなんないかな?」「『コノウタ』で締めれば4.10へのアンサーで綺麗にまとまったのに!」とか言いつつも顔はニヤニヤ。「今会えるアイドル」ではなくなってしまったけども、「今語れるアイドル」として超一流だ。

DOMMUNE荒天中止。深夜にTK・KIMONOSら中継。
21(日)
昼からアイスリボン「不思議の国のアイス」。いつになくテーマが多い後楽園大会、その中でも今大会で退団する真琴の「親不幸するだけの覚悟」、そんなこれまでの団体の象徴が抜ける興業でアイスが「それでも、プロレスでハッピー」を見せれるか、その2つがテーマに思えた。どう転がってもウェットな試合にしかならないさくらvs真琴戦、その後の3試合で「その先のハッピー」を見せれるか。
結果的にいえば、さくらvs真琴戦以降の3試合は「その先のハッピー」を見せきれなかった。特にメインの飛香vs藤本の不完全燃焼ぶりは痛い。スワンダイブ系の技がひとつも出なかったのも守りに入った感あり、プレッシャーに弱い彼女のマイナスがはっきり出た形に。最後のブロックバスターこそいつもの美しさだけども、それが逆に「フィニッシュで帳尻合わせた」感を強調する感じに。うーん。
この日、大会を覆う大きなテーマは「真琴なき後のアイスを担う10代」だったと思う。第一試合・豊田戦のつくし、イリミネーションのくるみ・ドラミ、TAJIRI戦のりほ、そしてメインの飛香と、興業全体の流れのキーになる所に10代選手が組まれている。そして、それぞれが印象を残した…飛香以外は。ここで名勝負を残すことで10代選手が真琴に代わるアイスの象徴になるのが理想的だったのだろうが、現実は厳しい。
そして、真琴最終試合。たびたび書いてるけども自分にとってはそれほど思い入れ深い選手ではない彼女。しかしさくらと真琴、2人の関係を振り返る渾身のVがいやがおうにも盛り上げる。ただ、真琴の「『辞めないで』って言って欲しかった」「未練を断ち切ってください」てのはズルいよな!相手に委ねすぎ。とやはり複雑な感情に…。自分もライターになるために故郷を捨てて単独上京して来てる過去があるから、厳しく見ちゃうのですよ、この辺は!
と複雑な思いで見つめながらゴング。いまプロレス界でさくらえみ選手ほど「表情のあるプロレス」が出来る人はいないと思う。リング上はそんな彼女の「哀しみのプロレス」がすべてだった。離別の哀しみ、彼女に対する不安や不満から来る哀しみ、アイスが彼女にしてやれなかった哀しみ。真琴も恩返しのようにこれまで覚えた技をかけ、激しい痛みに耐えていく。「身体の記憶」は心や言葉よりも強い。打ち合うことでお互いの記憶を、思いを、すれ違いを確認する。でもやっぱり「母の愛」の方が大きいんだよ。子供が生まれてから、それが前より少し分かるようになった。フィニッシュの2階からのにゃんにゃんプレスに行く前のさくら選手の表情が忘れられない。
その後、なだれ込むようにTAJIRIvsりほ戦のノーファンタジーな試合。徹底的に「真琴はこれからひとり」という事を教え込むための厳しい、実に厳しい2試合のように思えた。これで彼女は本当に変わるのか。SMASHは見ることなさそうだけども、気にはしてたい。それにしても、すがるりほを一蹴し、涙するさくらの前から真琴を連れて行くTAJIRIの姿はどう見ても「人買いのおじさん」にしか見えなかったよ!
「プロレスでハッピー」を見に来た者にとって、決してベストとは言えなかった後楽園大会。しかしやはり「それでも、プロレスでハッピー」を感じとれたのは、アイスリボンが常に「ハッピーエンドの団体」ではなく「ハッピーを目指し続ける団体」だからだろう。高校生、中学生、会社員、専属レスラー。そんな日常とプロレスという非日常の混じり合ったストーリーがアイスリボン。プロレスは時に彼女らに微笑み、時にそっぽを向く。そして勝利の美酒ではなく苦い土の味を味わう時こそが日常の一女性の姿を越え、レスラーとして一番輝く瞬間にも思える。さくら選手曰く「プロレスは『立ち上がることを見せるスポーツ』」。飛香選手が掴んだ苦い土からどんな花が咲くか、まだまだ見続けたい。

夕方、澤宗紀選手引退の報を聞く。人がこういう決断を言葉に出した時にはもう決まっている事だから「辞めないで」とは軽々と言えない。ただ、マイクで引退理由を「プロレスありきのバトラーツではなくバトラーツありきのプロレスだから」と語ったらしいけど、昔のバトを生で見れなかった俺にとっては「澤宗紀ありきのバトラーツ」それ以上に「澤宗紀ありきのプロレス」だったんだけどな。そしてそれは自分だけでないと思う。残り2ヶ月を最善の引退ロードに出来るよう、何かはなむけが出来ないか考える。