サイタマビーチ

フリーライター/イベンターの大坪ケムタの雑記とかイベント告知とかもろもろです。

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アイスリボン290雑記

突然プロレス感想3連発になって急速にプヲタ日記になりつつあるなあ。いちおう営業目的もあるのに!でもまあ今回のアイスリボンについては入れ込まざるを得ない。前日の俺の心のまとめにして檄文。

明日のさくらえみvs松本都戦について。今のさくらに対する都の武器は「意地」しかない。そして彼女の意地のハンパなさは過去の試合からも見てきた。ただもう3年目、意地だけで見せる段階ではない。意地+何かを見せないと、今後「前半戦のコミックレスラー」になりかねない。

正直見に行くのが怖くもある。だって俺がサインもらいに行った最初のレスラーだぜ!>http://p.tl/MI5K ただ「面白い男女マッチ見せる器用な選手」で終わってもらっても困る。とりあえず今のさくら選手とのやりとりはパーフェクト。 ポツドールばりの緊張感。

こんな彼女が見たかった。明日の結果、その先がどう転ぶかわからないけども、これまでGENTARO戦、葛西タッグの時に見せた「ボロボロの松本都」はとても美しかった。明日の彼女もハンパなく美しいだろう。それを明日は見に行く。スワンソングか、ブラックスワンか。

そして雨の蕨道場。前日のツイッターでもアイスクラスタがかなり紛糾したのもあり、水曜としては上出来な90人弱の客入り。最初の前説でさくら選手も「『プロレスでハッピー』と言ってますが、今日はハッピーになるか‥」といつもと違うアイスになることを匂わす。前半3試合は、またも新技「猫なで式バックブリーカー」で撃破したにゃん’sクラブ、結成前は「似たタイプだからどうなんだろなー」と思ってたらよくわからないテンションで会場人気ナンバーワンな勢いのハム子&もちの旬なタッグが盛り上げる。真琴・澤組が負ける意外な展開あるも、いたっていつもの明るいアイス。
そしてメイン、さくらえみvs松本都。今日は試合前から彼女の佇まいは違っていた気がする。最初のマイクもおとなしめで、入場時の姿もどこか寂しげな女の子のような。試合では先のtwのような期待をしていたわけだけど、見せるべき「意地」は肉体を破壊してしまえば出すべき場所もない。先制のビンタ、ミサイルキック、スプラッシュ&フットスタンプ、一度スリーカウントを取られてからはもはや自然と手がタップを選んでいた。バックドロップ、フェースバスター、ドラゴンスリーパー、一技かけるたびにゴングが鳴る。つらい現実を言えば、今日の松本都から見るべきものは「なにもなかった」。ここまで選手の価値をゼロにした試合は初めて見たかもしれない。歴史も重みも違うけどゼロになるという意味では高田vsヒクソン戦のような。
個人的にゾッとしたのは、終盤渾身の力を振り絞り反撃した松本選手。必殺のマンマミーヤの体勢から拍手が起きるも‥途中で止まった。彼女があの技にこだわりも意地もあるのは分かる。でも「今はそれじゃないだろ」を感じた。たぶん自分以外も。だから止まった。この日はさくらのゲーム、目の前の「強さ」に対峙するのはそれじゃない。20分完走こそすれ、スコアは11対0。戦前の「進化してない」「面白くない」というさくら選手の声を封じることは出来なかった。ある意味「裸の王様」の証明。この試合をやった後で強がりな「自称エース」はもう出来ない。ただ、今日のメンバーでは共にした時間も長いはずの都宮ちい選手の試合中の声援、藤本つかさ選手のマイクには救われた。
見終わってぐるぐる考えてると、ちょっとこの前の「ブス会」の芝居「淑女」を思いだした。半笑いで「ネタですから〜」が口癖の若い女の子。しかしその「ネタ感覚」は共通する者にしか響かない。盗撮気味の取材をされて「ネタだから」と言われたあるおばちゃんは「そんなの面白くないよ」「私つまんないもん」と言い切り、ネタ娘を正面から否定する。松本都もまたネタ的=キャラ的なプロレスを続けてきた選手。しかし、やはりリングでの共通言語はネタやキャラではなくレスリングなのだ。特に3年目の選手が「猫」「子供」と同じ、もしくはそれ以下では困る。そしてネタやキャラで喋る子が、それが効かない相手と会話する時に本当の度量が分かる。それが今回。今回ハードコアリボンルールではなかったけど、このさらけ出しっぷりはたしかに「ハードコア」なアイスリボンだった。ただこの試合+やりとりは彼女にしかできない、「さくらvs松本」という枠組みでしか出来ないものなのは間違いないのだ。ただのベテランが中堅を潰す試合なら、ここまでいろんな事を考えさせない。彼女にとって、アイスリボンにとって「今やる意味」がある。
試合後も「100倍にしてこの女に返したい」といままでどおり強気な事を言いながらも、「自分はしばらくアイスリボンに出られないかもしれないけど‥」という弱気な言葉も間に挟む。正直、自分としては試合前から「これで休業もあるか?」と思ってたので、次戦がさっそく決まったのはホッとした。どうするの?とも思うけども。ゼロからどうなる、松本都。もはや焼け野原。ただ今回ネタやキャラ的なものを焼き尽くされた彼女に残った「根」から何かが生えてくる事を信じている。間違いなく言えるのは、今日松本都の成長の時計が動いた。自称エース「役」からノンフィクションの松本都へ?まあどんな形でもいい。それはきっと、やっぱりへんてこなもの。次に彼女がアイスリボンのリングで一番目立つ日は彼女はどんな顔をしてるのだろう。


試合全般はこちら。あとはさくら選手の顔もよかったなあ。先生の顔。座談会では松本に加えて真琴号泣でドロ船のように沈みゆくムードを救ったハム子&もちが素晴らしかった。西川口のシンボルキャラクターになってもおかしくないレベル。「ご指名よ〜」は決めゼリフにしてほしい!写真は行きがけの西川口駅周辺にて。雨のエース。