サイタマビーチ

フリーライター/イベンターの大坪ケムタの雑記とかイベント告知とかもろもろです。

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キャノンボール×キャノンボール×キャノンボール

10月21日から22日にかけて、プロレス団体DDTによる映画「劇場版プロレスキャノンボール2014」の撮影というのか試合というか興行というのか…とにかくそんな「事件」が2日間に渡って行われました。東京から東北に向かってレスラーたちが走り、出会い、戦う2日間。我々はただハッシュタグを追うしかなかったんですが、いやー楽しかった。レスラーにスタッフらの言葉があれほど生きてる感じがするtwはなかなか見れないもの。それもレースという枠を決めたことで、それぞれが東北における過去のつながりを辿る旅になってるのがすごい。それぞれが濃密なロードムービーだよ。映画「ハイ・フィディリティ」的な。

概要はサムライTVの三田さんのブログ、とぅぎゃったーなどで。
■ 第242回 プロレスキャノンボール2014の旅は続くよ | 三田佐代子の猫耳アワー
■ 『プロレスキャノンボール2014 #pwcb2014 』まとめvol.1(前日~初日15:00) - Togetterまとめ
 
もしくは公式サイト。 
■ プロレスキャノンボール2014 (@pwcb2014) | Twitter
■ 劇場版プロレスキャノンボール2014 | Facebook

これはもともとカンパニー松尾監督の『テレクラキャノンボール』から始まり、劇場版の前に前作『プロレスキャノンボール』があり、そしてこちら未見ですが『BiSキャノンボール』という繋がりがある。あらためて何が驚かされるかって、AV・プロレス・アイドルと自分が趣味なり仕事にしてドハマリした3つが全部「キャノンボール」になったということ。あらためて自分の趣味がブレてないことを外部からの力で再確認させられたというか。

では「キャノンボール」向きのジャンルに必要なものって何なのだろう。ひとつには「アドリブ力があるプレイヤーが揃っていること」。ナンパにしろプロレスにしろ「自分から動ける」メンバーが中心でなくては絶対に面白くならない。そして「ルール破りを是とするジャンルであること」。ルール破りといっても前田アンドレ戦とか小川橋本戦的なやつじゃなくて、「面白ければこんなプロレスもあり」「面白ければこんなマニアックなものがあり」と面白さを拡張していく意味でのルール破りは許される、ということだ。

あともうひとつ、「良い意味で適当であること」。適当、というと言い方が悪いけれど、前のふたつにも共通することで「フレキシブルさ」といってもいいかもしれない。AVもプロレスもアイドルも、今この瞬間にひとつの作品として完成させることも大事だけど、その先も日常と非日常が混ざり合ったまま「ずっと続いていくもの」だったりする。映像に写されているのは現在進行形の「物語」の一部。日々続く物語を生きるのに、必死に向かうではあまりにキツすぎる。時には全力の必死さも必要だけど、適当さもなければ物語は紡げない。途中で折れてしまうのではないだろうか。

でも確かに「適当」って言葉の聞こえは悪いよなあ。そういうことを考えてるうち、ヒラマツ・ミノルのプロレス漫画『アグネス仮面』の冒頭、そして最後に出てくるこの一文を思い出した。

「20数年前、プロレス界は今ほどビジネスライクではありませんでした。レスラーもお客も、今よりずっといい加減でテキトーで大雑把で大らかで、そして誰もが真剣でした。」

そういうことかもしれんですね。20数年前だけじゃないって話。

アグネス仮面(1) (ビッグコミックス)

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