「一番弱いやつ」にしか出来ないこと。
「アイドル楽曲大賞2013」のノミネートアイドルが373組だから、いまや日本には500組以上アイドルがいることになるのだろうか。「グラビアアイドル」も足せばさらにすごい数になるだろうけど。その中で「メタアイドル」というか「カウンターアイドル」的な子も少なくなくなった。一昔前ならメガネかけてるだけで「アイドルらしくない」だったんだろうけど、いまやデブにブサイクとあらゆるカウンター的要素のアイドルがいる*1。そんな幅広さゆえに「アレはＯＫでアレは無し」を意識させられ、ファンそれぞれの「アイドルらしさ」「アイドルの意味」を考えさせられるから面白いのだけど。
ただ、やっぱり図抜けてるなあと思うのがSKE48の松村香織。ナゴヤドーム公演当日、深夜までかかって舞台裏側メイキング映像を作るとか*2、アイドルのやる事じゃないよ！ というか普通スタッフでもそこまでやらない。そんな活躍もあってか、先日の大組閣で「AKB48グループ研究生会会長」に任命された彼女。それから落ちつくどころか、さらに発言が激しくなった。「彼氏いた発言」「大組閣どうか発言」「まとめ（及び２ちゃん）見てた発言」などなど。
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「大組閣どうよ」くらいは他のメンバーもちらちら書いてるのでさほど驚かない（さすがに動画配信は唯一だが）けど、過去とはいえ彼氏話と、まとめ＆２ちゃん話はぶっこんで来たなーと。どれも「そりゃいてもおかしくないよな」「そりゃ見てるよな」という話ではあるけども。ここまで言ってしまってるのは初めてじゃないか。
ただ、これらの発言って彼女のキャラだから許されてるんであって（泣いてる人もいるが）。それに「アイドルだって彼氏いるよ！（ソース：松村香織）」「運営にむかついてるに決まってるよ！（ソース：松村香織）」「２ちゃんもまとめも見てるよ！（ソース：松村香織）」とすることで相対的にギャグにしてしまってる感がある。
かつてPRIDEでヒクソン・グレイシーに負けた高田延彦について、アントニオ猪木は「よりによって、一番弱いやつが出ていった」と言った。これは猪木の「プロレス最強神話」を守るための発言、といわれている。これに例えていえば、決して王道アイドルではない、アイドル的魅力として「一番弱いやつ」が全部発言することで、結果「アイドルの神話性」を守ってるんじゃないかと思うようになった。いわば大刀光が総合で負けても、武藤や三沢がすげえプロレスしてるからオッケー、みたいな。
でも、先日のナゴヤドームで一番涙腺にきたのは彼女の「マツムラブ！」ソロだった。２日間で、オリジナルソロ曲を歌ったのは彼女のみ*3。アイドルとしては欠けてるものが多い彼女が、ドームで全ての観客の目を集めるという最高のアイドルドリームを叶えた瞬間。アイドルの意味が「夢を見せるもの」と思える人なら満点の内容だ。
さらに彼女は今年、ＡＫＢ総選挙での選抜入りをぶちあげた。2013年は24位、必要なのはあと８つのランクアップ。もし今年の総選挙で本当に選抜入りしたら、大刀光どころか「総合全敗だけど最高のプロレスラー」高山善廣になれるぜ。
なので「マツムラブ！」、イベントのみ販売→即完売とかセコいことしないで、早く全国流通してください。いやマジで。
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- アーティスト: 松村香織（SKE48・終身名誉研究生）
- 出版社/メーカー: 錦通レコーズ
- 発売日: 2013
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